こだわり生ソーセージに蔵直送のフレッシュな日本酒を合わせるのが”上原デリー”流 [ぷらっとお店紹介]

2021.11.13

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＜こちらの記事は、渋谷のラジオ「渋谷商店部　お店に行こう！上原・富ヶ谷ブロック」との連動企画です＞

「”生”ソーセージ？　シャルキュトリーと日本酒？！（奇をてらった新店か）」
最初に「上原デリー」の噂を耳にしたときの第一印象は、そんな感じでした。

ところが、実際にお話を聞いてみると、ソーセージ愛にあふれ、日本酒蔵のものづくりを知り尽くしたオーナーが、満を持しておすすめする組み合わせだったのです。

オーナーの中山高嘉さんと支配人の新保里沙さんにお話をうかがいました。

フレッシュな日本酒はワイングラスで

Q. お店について教えてください。

無添加の生ソーセージを中心としたシャルキュトリー（フランス語で加工肉の意）と日本酒のコラボレーションをコンセプトにしたお店です。オーナーがソーセージやハムが大好きで、職人と一緒に時間をかけて作り上げ、オリジナルレシピのシャルキュトリーを長野の工房から直送しています。

日本酒蔵との繋がりが深く、良い状態で直送してもらい、新鮮な状態で美味しく飲んでいただけます。意外な組み合わせのようですが、お肉の脂を日本酒が流してくれるので、とても相性が良いんです。現在は、天才杜氏・田中悠一さんが造る、加茂錦酒造の「荷札酒」をご提供しています。

また、「紀土（きっど）」で有名な平和酒造がつくったクラフトビールも、上原デリーでは特別に4種類お出ししています。日本酒づくりで培われた繊細な醸造技術を用いたビールを味わってください。

平和クラフトビールの「ペールエール」と前菜10種盛り合わせ。パテドカンパーニュもリエットも肉肉しい

店名の「デリー」は、惣菜屋さんを意味するデリカテッセンの「デリ」です。ニューヨークに住んでいたことがあるのですが、マンハッタンあたりにはあちこちにあって、とても好きな場所だったので。偶然にも、井の頭通り沿いには、カフェの「UEHARA KITCHEN」さんとお肉屋さんの「UEHARA MEAT」さんもありますね（笑）。

Q. オススメの商品を教えてください。

無添加生ソーセージ

腸に詰めてすぐの状態で密封・瞬間冷凍し、工場から直送。燻製にしたりボイルしたりしていないので、旨味がぜんぶ詰まっています。これを解凍してからボイルしたり焼いたりするのですが、切った瞬間に肉汁があふれます。これが生ソーセージの魅力です。口に入れると肉汁と脂が口の中に広がるのですが、日本酒を口に含むとスッと消えてしまうのが不思議です。店頭で販売もしていますので、ぜひおうちでも楽しんでください。

粗挽き生ソーセージと生チョリソー。ナイフで切ると肉汁があふれ出します。口の中に広がる脂を日本酒でスッキリ流します

ハムサンド

もう一つの推しメニューはハムサンド！「ハムがいっぱい入ったサンドイッチを作りたい！」という熱い思いから考案したメニュー。少し焼いたほうが美味しいということを発見し、とにかくいっぱい！パンパンに！軽く焼いたハムが詰まっています。テイクアウトも可能です。

日本酒

ワインもスパークリングワインも、日本酒蔵が作ったウイスキーを使ったハイボールもありますが、できれば日本酒を飲んでいただきたいですね。

メインで扱っている「荷札酒」を造る田中さんは、29歳の注目すべき杜氏であると同時に、絶対音感ならぬ”絶対味覚”の持ち主で、有名な日本酒の味をまったく同じに再現できるという変態（笑）。日本酒業界に登場したときはみんな驚きました。うちは唯一、直送で入れていただいているので（問屋とか酒屋を通してない）、一切劣化のない状態です。

「荷札酒」の3種飲み比べセットは、酒米が異なるいずれも純米大吟醸。自分好みのお酒を見つけてください

酒を醸したとき、蔵から送ってもらうときと同じ「−5度」に保つ日本酒セラー（日本酒に特化した冷蔵庫）を完備しているので、フレッシュな日本酒を味わっていただけます。日本酒はワイングラスで提供していますので、グラスの中で香りが広がり、日本酒の感じ方が変わると思います。

僕（中山さん）の本業はテレビの制作会社。15年間、日本酒蔵のドキュメンタリーを作っていたのですが、全国の蔵との結びつきが今回の出店に繋がりました。その番組の最後に必ず「自分のお酒と相性の良い食べ物」をリコメンドしてもらっていたのですが、意外なことに8割の方が魚じゃなくてお肉と答えたんです。中にはすき焼きと言う方もいて驚きました。

広々とした明るい店内。友人とおしゃべりしながら、プロジェクターで映像を見ながら、カウンター席でキッチンを眺めながら。それぞれの楽しみ方でゆったりできます

Q. 代々木上原は、どんな街ですか？（出店のきっかけ）

僕（中山さん）は東京出身なのですが、昔、知り合いに代々木上原の飲み屋に連れて行ったもらって驚いたんです。渋谷区なのに、こんなに坂があって丘があって、夕陽もきれいで。外から見れば「渋谷」というとスクランブル交差点のイメージだと思いますが、そこまで歩いて15分くらいなのに、こんなのんびりした街があることを知って、大好きになりました。15年くらい前に引っ越してきて、いろんなお店に行ったり上原の人たちと交流したりしていますが、街の人もみんな親切ですし、ここでお店を開いてみたいな、と思うようになりました。

大山での3ヶ月のポップアップ営業をしてみて、スーパーや街中でお客さまに会うと、気軽に声をかけてくれるのですごく楽しいです。みなさん、「また来ます」っていうのが社交辞令じゃなくて、ほんとに来てくれるんですよね（笑）。