シブヤ科学年発表会@代々木中学校にお邪魔しました!

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現在、渋谷区の全小中学校で『シブヤ科』という授業が行われているのをご存じですか?これは、社会科の延長線にあるような授業で、一般的な社会科の授業よりも、もっと自分たちの生活や、暮らす街に密着した“当事者”目線で行われている授業なのです。

授業は教員ではなく、地元で活躍する一般の方から選出されたファシリテーターによるもので、生徒たちはファシリテーターとともに、自主的に地域の社会問題を見つけ、解決を目指します。この授業が、中学生とは思えないような社会人顔負けのハイレベルな内容で、とにかく驚かされます。大人もうかうかしてられないな…と、脅威を感じると同時に、とても頼もしくも思えます。今回、代々木中学校の2年生の上位8チームが登壇する、シブヤ科最終プレゼンテーション大会が開催されるとのことで、代々木上原新聞も審査員として参加してきました!その様子をレポートします!


プレゼンテーション大会は、お昼休み後に、司会を務める先生の挨拶から体育館でスタート。

2年生のシブヤ科のスローガンは、『自分自身と自分が暮らすまちのために』というもの。ファシリテーターの代表である、植野真由子さんが、1年間の各チームの取り組みや、フィールドワークの写真などで活動の思い出を振り返りながら、開会の挨拶をしてくださいました。

いざ、プレゼンスタート!!

■3組小泉班

開会式も終わり、緊張の中、先陣を切るのは2年3組小泉班!テーマは「ゴミのポイ捨て問題」。


ごく一般的な社会問題をテーマにしていながら、オリジナルラップを披露するなど、トップバッターにふさわしいキャッチーな演出でオーディエンスを魅了しました!ポイ捨てをなくすために問題提起し、より効果的なポスターの貼り場所はどこかなど、細やかな部分も考慮していることに感心!


きちんと渋谷区の環境整備部環境政策課に取材をしてきたようです!これは、大人も心を動かされますね!

オリジナルラップで会場が盛り上がり、小泉班のみんなもオーディエンスも含め、一気に大会が熱を帯びました。小泉班の調査による結論がまた最高です!

ナイスすぎるオチ!いや、ゴミがないなんて、渋谷区スゴイですね!!!誇らしい!

■4組半田班


続く2番手は、4組半田班。「タバコのポイ捨て」問題に着目しました。なんと、こちらはドラマ仕立てのオリジナル映像を披露!いかにもマナーの悪そうな人が登場し、タバコをポイ捨て!コントのようなオモシロ映像に観客が夢中になりました!この悪そうなキャラは先生だそうです(笑)。

いやぁ、映像の構成、演出、キャストとても面白かったです!実体験からの不快感から問題提起しているところも、身近で小さな問題を解決し、より良い生活を目指そうというのが伝わりますね。地域全体に関わる問題ということで、代々木上原駅周辺で調査したそうです。

■4組冨永班

続く4組冨永班は、「LGBTQ対応のトイレ」について調査しました。今や全世界で議論される深いテーマです。中学生も問題として意識するほど、大きな課題ですね。富永班は、なんとLGBTQ対応のトイレの設計図まで考案!!この才能が将来どのように生きるのか楽しみだな…なんて思いながら感心して見ていました!

小泉班も、代々木公園サービスセンターに赴いて調査をしたとのこと。中学生による問題提起から行政が動き、計画が実現したらステキですよね。誰もが周りを気にすることなく、公共のトイレを利用できる社会になればいいですね!

■3組河合班


3組河合班は、東京駅にはゴミが落ちていないことに気づいたという日常の体験から「ゴミのポイ捨て」問題をテーマに発表しました。調査のもと、ひとりひとりのモラル、意識改革が必要になる問題です。

河合班からは、なんとオリジナルソングが披露されました!まさに、全シブヤが心揺さぶられる内容!!プレゼンテーションには、聞き手の心に残るようなインパクトが大切なのだと再確認。

■2組原嶋班 

この日は奇しくも3/11に行われたたこともあり、3組河合班のプレゼンテーションが終わったところで東日本大震災の時間に全員で黙祷しました。そして、いざ後半戦へ!


2組原嶋班は、「余りものには福がない」と、いきなり伝統的に語り継がれている先人の言葉を覆すようなキャッチからスタート!テーマは「自転車道の問題」についてです。確かに、渋谷区には繁華街もあり、行き来する人の数も多いですから、交通事故などは深刻な問題です。


2組原嶋班は、交通事故の減少や路駐対策などのシリアスな課題をテーマとしていながら、ユーモアたっぷりのセンス溢れるSTAR WARSオマージュのスライドを見せてくれました!パワポのセンス、あっぱれです!

■1組中島班


1組中島班も、「渋谷のゴミ問題」について問題提起!渋谷に現れるリアルライフヒーローの活動をフィーチャーしての発表です。


ゴミ問題を解決すべく、ホンモノ!?のヒーロー(ヒロイン?)も登場!ゴミ箱が目立つように、どんなものを設置したらいいかなど、お掃除するメイドさんのようなキャラが現れました!プレゼンテーションの構成や演出、衣装まで素晴らしかったです!

■2組二川班


2組二川班は、「勉強場所の開放」についての発表。”家だとどうしても勉強に集中できない”という、中学生の日常の悩みから出た問題です。


それならば、学校を自習室として利用できないか!というのが解決案。身近にあるものを利用するというところに着眼しました。身近すぎるものって、気づかないことが多いんですよね…。灯台下暗し。こういう視点は、大人も見直したいところ。

■1組岩下班


最後のプレゼンター1組岩下班は、「校則」について。中学生にとって、”校則”はまさに日常における”縛り”。”理由のない校則をなくしたい”、”校則から解放されたい”という切実な思いが伝わる内容です。


自分たちの通う学校の先生を説得すべく、区内にある校則のない学校「桜ヶ丘中学校」に取材に行ったそう!さぁ、先生たちは校則を見直してくれるかな?でもね、意外と大人になっても規則には縛られるものなのですよ…。

優勝チームは!?


8組全てのプレゼンテーションが終わり、我々審査員はかなり悩みました。だって、どのグループも見応えあったんですもの…。さすが、学年で勝ち抜いてきた実力派。校長の川上先生も大絶賛でした!悩んで悩んで、悩み抜いた結果、優勝者は…

1組岩下班!!!


岩下班のみんな、おめでとう!!!君たちの日常に変化が訪れることを願ってやみません!代々木上原新聞からも、賞状を授与しましたよ!


準優勝は半田班。半田班も本当にすばらしかったですね!これからも、センスとユーモアを活かして頑張ってね!

どのクラスもパワポの作りがとにかく凝っていて、大人顔負けで驚きました。パワポの機能を遊び心いっぱいに活用して楽しんで作っているのがよくわかります。スライドにエフェクトや音楽を入れたり、フォントのセンスも然り、自作の動画を埋め込むなど、アイデア満載!パワポの機能を遊び心いっぱいに活用して楽しんで作っているのがよくわかります。この経験、スキルは大人になっても絶対に役立ちます!将来の渋谷区を牽引する彼らに拍手を送りたいと思います!

取材:大野清和・hazuki
文:hazuki

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